消費税増税で広がる格差。このままでいいですか?
遂に2019年10月1日より消費税が10%に増税になりましたね。
ニュースで散々取り上げられましたので増税や軽減税率についてはご存じだと思いますが
①なぜ増税するのは消費税なのか
②どういう目的があるのか
③他では替えが効かないのか
この3点についてどこまで知っていますか?
みんなから税金が取れるから・公平だから・景気にあまり左右されないから・幼稚園や保育園の無償化のため、などなんとなく分かっていることもあると思いますが
理由も知らないまま進んでいくといった状況が一番恐ろしいです。
これを読んで、税金や政治について考えてみてください。
そもそも消費税とは
まずは、簡単に消費税について
1989年4月1日に3%で初めて導入されました。目的としては、消費税法で定められており、年金・医療・介護・少子化に対処するための経費との事ですね。
消費税法 第一条2
消費税の収入については、地方交付税法(昭和二十五年法律第二百十一号)に定めるところによるほか、毎年度、制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費に充てるものとする。Wikipediaより引用
税収からみる消費税
続いて、国の収入の中で消費税はどれくらいの割合を占めているのかを見てみましょう。
30年度のデータになりますが、支出と収入はこんな感じです。
少し見にくいですが、消費税の開始から令和元年までの税収の割合の画像を載せておきますね。
どんな人からでも簡単に取れる
これが①に挙げた、税金の中で消費税が選ばれた大きな理由です。
一見、公平に徴収されるように見えますが、そうではありません。
取られる税金は変わりませんが、負担割合が全然違うのです。
社長と従業員の格差
簡単にですが、例を元に考えてみましょう。
・社長 手取り1,000万円
・社員 手取り300万円
・毎年のガソリン代や雑貨・交際費などの必要な支出はは二人とも税抜100万円です。
社長の消費税割合(税込)
8%の時→支出108万円 消費税8万円 手取りにおける消費税の割合 0.8%
10%の時→支出110万円 消費税10万円 手取りにおける消費税の割合 1%
増税後の負担割合 0.2%アップ
社員の消費税割合(税込)
8%の時→支出108万円 消費税8万円 手取りにおける消費税の割合 2.6%
10%の時→支出110万円 消費税10万円 手取りにおける消費税の割合 3.3%
増税後の負担割合 0.7%アップ
社長と社員の収入における収入から見る増税後の消費税負担割合の差は3倍を超えますね。
この差が格差を生む要因の一つです。
ざっくりとした計算にはなりますが、収入から見た消費税の占める割合は収入が少ない人ほど増えていくのがわかると思います。
逆に収入が多い人から見ると、2%の増税は大した負担にならないのです。
軽減税率はいらない
先程の計算ではこの軽減税率については触れていませんでしたが、食料品に関しては8%で据え置きになりましたよね。
ただこれがまた曲者です。
社長や個人事業主・経理担当にとっては地獄というほかありません。
上記以外の方であれば、お店が勝手に分けてくれているのでどれが8%でどれが10%でなど気にする必要はありませんね。
レシートにも印字されるはずなので一目瞭然です。
ただ、お店側はそうはいきません。
レジの導入・設定、店内飲食の有無。容器に入った食べ物では軽減税率の対象か、契約はしているが、引き渡しが遅れる場合はどうなのか、食べれるが食用販売ではないものはどうなのか…etc。
考えることが山積みです。
そして、消費税10%と8%のものに分けて集計しなくてはいけません。
その結果、いろんなところで余計に時間がかかったり、手間が増えたりするため、いろんな方面で負担は増えていきます。
余計にコストがかかるのです!その結果、ボーナスが減ったり、昇給の幅が小さくなったりするかもしれませんね。
増えた税収の使い道
増税で見込まれる税収は5兆円を超える予想になっています。
そのうち使用用途として一番大きいのが、幼稚園・保育園の無償化、待機児童減少に向けた取り組みなどの少子化対策になります。
これが1.7兆円でだいたい三分の一を使用します。
続いて、1兆円が社会保障の充実に回されます。
ただ高齢者の割合が増えているので、これでも足りないはずです。
そして残りを借金の返済に充てるそうです。
返済を少し増やしたところで、それ以上に新たに借金が増えていくので自転車操業…?というよりパンク待ちに近い状態になっています。
とはいえ、子育て世代への投資や社会福祉の充実という面で見ると増税する事の目的としては理解できますね。
他の税金を見てみよう
なぜ消費税なのか、増税の理由についてみていきましたが、本当に消費税でなければいけないのでしょうか?
下記の画像から主要な税金を抜き出してみていきましょう。
①法人税
これは会社の利益に対して掛かってくる税金で、会社版の所得税です。
この税率は年々引き下げられています。
日本から企業が出ていかないように
税率引き下げの理由は
日本の法人税率が他国に比べてかなり高い水準にあるためです。
一時期、タックスヘイブン(租税回避地)などという言葉をよく聞くことがあったと思います。
これは高い税金を逃れるために税金が安いもしくは掛からないところに子会社などを作り、そこに利益を集中させることで法人税などを安く済ませるのです。
これは対策がされてきていますが、法人税を高くしていくと日本から企業が出ていってしまう事にもなりかねないので、ドンドン下げている状況になっています。
これは日本だけではなくて、世界的に法人税を低くするようにしているので競い合う形になってきています。
そのため、法人税は引き上げるどころか引き下げられています。
ただ抜け穴の件は別
ソフトバンクグループが1兆円の利益があるのに、グループ内で株の移動をするだけで利益を消した事がニュースになりましたね。
詳しい説明はは割愛しますが、ただ株を移動しただけでソフトバンク自体に損は出ていないので問題視されていますが
法の抜け穴を駆使した合法的な節税になります。
これはソフトバンクグループに限ったことではないので、この辺の整備をしっかりして欲しいのですが、いたちごっこのような所もあるのでうまくいっていません。
②所得税
日本は累進課税という制度を取っているので、所得が多い人ほど税金が高くなります。
最近、配偶者控除なども見直されましたが、これも所得が多い人は受けられないなど税金が高くなるように設定されました。
これもあまり上げすぎると海外に移住されてしまったりします。(お金持ちの方は、既に移住を始めています…)
それに全体的に引き上げてしまうと、個人の負担が大きくなってしまうのであまり意味がありません。
③相続税
これも少し前に改正があり、控除額がかなり引き下げられました。
それに加えて2億越えの資産にかかる税金が5%高くなりました。
ただ、控除額が引き下げられても3,600万円以内であれば税金がかからない為、相続が起きた人のうち8%程度しか税金が発生しない計算になっています。
ここはもっと上げてもいいかもしれないのですが、土地や不動産などの資産に対しても税金がかかるため、現金は受け取ってないのにお金を支払わなくてはいけないケースが出てきたりします。
どこに負担がかかることを選択するか
結果、何かを上げるとどこかに負担は掛かってきます。
貴方はどこから取るのがいいかと思いましたか?
まとめ
ここまで読み進めてみて消費税増税についてどのような感想を持ちましたか?
自分は法人税はもう少し引き上げてもいいと思っています。
国際的な競争に勝てないなんて言われそうですが、そもそも他に比べて高額な上に消費税は会社にもかかるので負担は結局あまり変わりません。
むしろ、消費税増税の方がダメージが大きいはずです。
消費税は抜け穴がほとんどないので、法人税に比べて節税が難しいからです。
それに相続税も引き上げていいと思います。
税金が払えないと思えば、相続放棄をすることもできるので払えるところからは貰えばいいですし、もともとは自分のお金ではなかったものなので、税金を取ることで何かに影響を及ぼす可能性が少ないはずです。
むしろ貯めこまずに使う方向に持っていければ景気もよくなるはずなので。
消費税増税に伴って景気の悪化を招くはずなので、個人の資産を守るため・格差をこれ以上広げない為にも、投資に回したり、金を買ったり、ドルに換えたりして日本円で貯蓄しておくという事だけにはしないようにしましょう。
借金の膨らみは年々大きくなっているので、いつ超インフラが起きて今の日本円の価値が暴落するかは分かりません。
資産を守るために・投資に関してなど下記の記事を参考にしてみてください。
これを機に、税金や政治・選挙、投資などを自分の事としてとらえて考えてくれる人が増えたらと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。