タンス預金と相続税と新紙幣【税理士事務所勤務のFPが解説】
タンス預金と相続税と新紙幣という事で今回は解説していきます。
ファイナンシャルプランナー(FP2級)かつ税理士事務所勤務という経歴を活かして、税金面と資産面の両方について分かりやすく伝えられたらと思います。
目次から気になる項目を探してみてください。
タンス預金が問題と言われる点
たびたび話題に上がるタンス預金ですが、何が問題なのでしょうか。
相続税と新紙幣の問題は後から解説しますので、それ以外の面から見ていきましょう。
タンス預金の盗難と災害のリスク
自宅に現金を保管することで盗難や火災などの災害による損失のリスクが高まります。
銀行に預けておいた場合は、何かあっても預金保険が適用されるので一定の金額は保証されますが、自宅に保管した現金には保証なんてないですよね。
それに今は現金がなくてもクレジットカードなどを含むキャッシュレス決済がありますので、やはり現金で持っておくことは一定のリスクになると思います。
タンス預金はインフレに弱い
現金は自宅で保管しておくと物価上昇(インフレ)により、現金の価値が実質的に減少する可能性があります。銀行に預けていると雀の涙程度の利息は付きます。更に一歩リスクを取るなら国債などリスクの少ない投資先に預けておくともう少し利率があるのでインフレ対策になります。
タンス預金は死に金と言われて全く動ないお金になるので価値の変動には弱いという事になります。
仮に物価下落(デフレ)の場合でも利息が付く方が強いという事ですね。
タンス預金と相続税
大体よく言われるのが先程の2点で、ここからは相続税と新紙幣の問題について解説していきます。
ちなみに新紙幣についてはデメリットの方が多いですが、相続税についてはデメリットだけという訳ではありません。
タンス預金と税金
まずはタンス預金と税金の関連についてお話しします。
そもそもタンス預金は2パターンあり、どちらのパターンかで税金が関わってくるかどうか変わってきます。
①給料や事業のお金など、既に年末調整や確定申告で所得税の計算が終わって手元に残っているお金
②物を売ったお金やギャンブルなどで得たお金で、確定申告をしていない分のお金。
①のお金であれば、いくらタンス預金に回していても自分のものである間は税金は関係ありません。
もう既に税金を支払った後に残ったお金だからです。
ただ相続税や贈与税など自分のお金ではなくなる場合は話が変わってきますが、この後に説明します。
②こちらの場合は年末調整の有無や金額で変わってきますが、基本的には申告して税金(所得税・住民税など)を支払う必要があります。
そこでよく聞かれるのはバレるのか、バレないのかです。
あえて詳しくは書きませんが、金額が大きくなくタンス預金として現金で持っておくのであれば内容によっては税務署からは分からないor追及してこない可能性があります。
タンス預金と相続税・贈与税
さて本題の一つ目である相続税と贈与税について解説していきます。
これもバレるバレないの話が付きまとってくるのですが、動かすとバレますし金額によっては相続税や贈与税が掛かります。それに相続税の場合は税務署にバレなくても親族間の財産分割として揉める可能性もあります。
タンス預金をタンス預金のまま貰って、大きく使わなければ誰にもバレない可能性もありますが、そこまで不自由なお金にしてまで脱税をしている事になるので、しっかりと申告して自由に使えるお金にするほうが結果としては良いはずです。
タンス預金と新紙幣
2024年7月3日にお札が新しく変更になる予定です。1,000円、5,000円、10,000円がそれぞれ新しくなります。
こちらは新1万円札です。
それがタンス預金とどう関わってくるか、噂も交えて解説していきます。
タンス預金は旧紙幣となる
お札が新しくなると今の紙幣は旧紙幣となってしまいます。
今までの流れであると、しばらくは新紙幣の方が使い勝手が悪い感じになると思いますが、時間が経つにつれて旧紙幣の方が使い勝手が悪くなっていくと思います。
平成19年(2007年)4月2日に発行停止された夏目漱石の1,000円札は対応していない自動販売機なども出てきていますよね。
まだ見覚えがある方の方が多いかと思います。
ただ別に使えないわけではないので対人であれば問題ありません。
タンス預金と預金封鎖と新札発行
最後にもう一つ。新札発行という事で噂が出回っている預金封鎖についてです。
これもタンス預金と関連してきます。
まずは預金封鎖が何なのかから解説してきます。
預金封鎖とは
預金封鎖とは政府が行う制約や規制の事を言うのですが、今回は預金に絞ってお話しします。
過去に日本でもありましたが、2021年のレバノンでは引き出しの制限など。
2013年のキプロスでは一定額を超えた部分を没収。
過去の日本では戦後の1946年に実際に行われています。
その時は預金の引き出し制限と、新円切り替えのため旧現金が使えなくなるため半強制的に銀行に集めるという事になりました。
詳しい解説は省略しますので、気になる方は下記のWikipediaなどを参考にしてください。
タンス預金と預金封鎖
先にあったように実際に日本で行われた預金封鎖の際に、既存の現金を無効にし新しい現金に切り替えるという手法が取られた事で、今回の新札発行において預金封鎖が行われるのではないかと噂が出てきているのだと思います。
ただ過去の預金封鎖は戦後のハイパーインフレなどが原因の為、現状の日本の状態では限りなく実現の可能性は低いと思います。また今回は前もって切り替えを予告している事からもその考えは低いのだろうという事が伺えます。
全くないとは言い切れませんが、今回の新札発行において預金封鎖は無いと思っています。
預金封鎖の対策とは
今回は無いと言いましたが、将来的に起こり得る可能性はあります。
その場合の対策としては、物に変えておくのが一番簡単で分かりやすいかと思います。
時計や金、絵画など、ある程度まとまったお金を動かせて、日本以外でも需要があるものが好ましいかと思います。
海外預金口座の開設は詐欺などもあるようなので、気を付けてください。
預金口座開設の勧誘に関する注意喚起について:金融庁 (fsa.go.jp)
また今は仮想通貨も注目されていますね。
直接、仮想通貨を没収されることは無いかと思いますが、国内の取引所であれば仮想通貨を円に戻すことは難しいかと思います。本当に預金封鎖された際に仮想通貨のまま使用できる場所が国内にどれだけあるかも疑問ですので、没収はされないがしばらくは使えない可能性がある事を頭に入れておいた方がいいかもしれません。
最後に株についてもお話ししておきますが、こちらは米株やS&P 500、オールカントリーなど、日本の情勢に依存していないものがいいかと思います。
まとめ
今回はタンス預金についての解説でした。
タンス預金はメリットもあればデメリットもあります。
自分がなぜタンス預金をしたいと思ったのか、その理由によってメリット・デメリットが変わってきますので、まずは理由を明確にする。その上でタンス預金にメリットがあるのかを考えてみてください。
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最後までお読みいただきありがとうございました。