お金の使い方と考え方。【家庭】と【法人】2つの目線でプロが解説【part2】
今回は前回の引き続きになるので、もしよければ先にこちらをご覧ください。
今回は法人や個人事業主の方がメインになりますので、興味のある項目だけ流してみていただければいいかなと思います。もちろん、当てはまる方はこれを期に資金繰りや使い方について改めて考えてみて頂ければなと思います。
法人でのお金についての考え方と使い方
家庭編と同様に法人・個人事業主編でも4つに区切ってお話ししますが、こちらは少し専門用語も交えつつ解説していきます。出来る限り用語は抑えるか分かるようにしたいと思いますが、分からない単語が出てきたら勉強の意味で調べてもらえたらと思います。
【最重要】キャッシュフロー計算書を作ろう【1】
家庭編でも出てきましたが、今回も一番大事なものはこちらになります。
ただ家庭とは少し違い、一から作るのではなく直近の決算書や仕分けなどである程度の基礎情報は直ぐに把握することが出来ます。なんなら期首の現金と通帳の残高と期末の現金と通帳の残高を見比べるだけでも1年でどれだけお金が増減したか把握できます。
ただ、それだけでは期中にお金が足りなくなった場合に代表者から借り入れた金額や融資などの金額が反映されないので、お金が増えているように見えて実は足りていなかったという現象が起こっているかもしれません。
それを補うために家庭編で出た資料を使ってもいいのですが、家庭より資金の流れが複雑になりますので、ココはキャッシュフロー計算書を作ってみましょう。
作り方としては、会計ソフトに付随されていることもありますし、税理士に頼めば作ってくれることもあります。というより、税理士を頼んでいるのであれば作ってもらってください。出来れば毎月作ってもらい、決算時に1年分を貰うのがベストです。
もしソフトが無い場合や税理士に頼んでいない場合で完全に1から自力となるとかなり難易度は高いので簡易的に把握しましょう。
期末のお金(現金・通帳)から期末時点の未払金・買掛金などを引いて、期末時点の売掛金を足したものを期首のお金お金(現金・通帳)から期首時点の未払金・買掛金などを引いて、期首時点売掛金を足したものをで引いてください。
(【すべて期末残高】 お金ー未払金・買掛金+売掛金)ー(【すべて期首残高】 お金ー未払金・買掛金+売掛金)=1年間のお金の増減予定
かなりざっくりにはなりますが、なんとなくのお金の増減が見えてくると思います。この年に借入金があったのであればその金額は引いてみて下さい。
その金額が1年間での増減予定金額になるので、プラスであればOK。マイナスであればお金が減っていくはずです。
3年間の資金繰り表を作ろう【2】
先程は単年のキャッシュフロー計算書を作ってもらいましたが、今度は3年間の資金繰り表を作ってみましょう。
こちらも可能であれば専門家や経理担当者に依頼してもらうのが良いのですが、どうしても自分で作らなくてはいけないという方はテンプレートを引っ張ってくるか、またも簡易的になりますが以下の方法で作ってみてください。
①来年から3年間で大きい支出を抜き出してください。
例:資産購入、修理・整備費用・免許更新費用など
②来年から3年間で臨時収入が見込まれる場合は抜き出してください。
③最初に作ったキャッシュフロー計算書に臨時の費用があれば除いてください。
④臨時収入ー大きい支出+(③で出した金額×3)
これでも十分に把握できると思います。
先程の表と組み合わせるとこんな感じになります。
ちなみに本当に簡易的なものになるので、これで作る場合はあくまで社内管理用に留めてくださいね。
こちらで作る場合は、月ごとに借入の返済や売上、支払を算出して3期分を作成します。A3用紙で3枚分ですね。それを考えるとこれがどれだけ簡易的か分かっていただけるかと思います。
※↓が一部を抜粋した資金繰り表になります。
今後の事業予測と対策(経営計画)【3】
とりあえず3年間の資金繰りは確認できましたので、それを元に今後の事業について考えていきましょう。
資金繰りが黒字のところは事業拡大や内部留保、福利厚生など、お金の行き先を考えていきます。逆に赤字だった場合はどうしたら黒字に転換できるのか、お金はいつまで足りるのか、今後不足するのであればどう対策していけばいいのかを考えていきます。
どう考えていくのかは経営計画・事業計画書を作ってみましょう。
ここで大事なのは、「他人の目を入れる」事です。
他に役員や共同経営者、総務や経理担当など、事業とお金の事を共有できる人がいればその方たちと協同で作るのがいいと思います。
もしいなければ、顧問税理士や完全に外部のサービスに頼ってみてください。
①かなり人気で予約が取りづらい無料のサービスになるのですが、独立行政法人中小企業基盤整備機構が本部となっているよろず支援拠点。
②有料サービスではありますが、Romoba経理など外部に完全委託。
③経済産業省が出しているローカルベンチマークを使い自社で計画。(無料)
その他の投資先について検討【4】
最後に、内部留保などで残っていく資金や当面使わなくて済むような予備資金があればそれの活用方法も考えてみましょう。法人や個人事業主である以上は本業を軸に考えて頂き、あくまで残ったお金を運用していくというスタンスです。
法人で運用する場合のポイントは3つあります。
①攻めた投資はしない
⇒そういうお金の使い方は本業でしていく。
②流動性が高いものにする
⇒不動産など即現金化できないようなものに投資する場合は事業計画の一環として計算して下さい。余剰資金などの運用には向いていません。いざという時にお金が動かせないのは危険です。
③運用の結果などが自分で確認できるものにする
⇒これは外部に任せっきりにしたり、経理の方などに一任して自分では全く確認しないという事はしないでください。最低でも月に1度、口頭などではなく明細やログイン後のマイページなど確実なもので確認してください。後から問題となるケースがたまにあります。
運用先は投資信託などが多いと思いますが、法人の場合は定期預金や国債・社債などの利率は低いですが更に安全性の高い資産でもいいと思っています。
自分の考えとしては法人は本業を伸ばしていく事が一番収益が取れるからです。
まとめ
初めての2部に分けての記事になりましたが、何か参考になるところはありましたでしょうか?とにかく今のお金と未来の収益を把握する事が重要で、それが分からないとその先を考えることも難しいです。
法人の場合は本業を軸に、お金の動きはそのサポートと思ってください。
従業員もいらっしゃれば一人ではありませんので、やはり最低限の運転資金は確保していただきたいですね。そこから更に内部留保を増やしていくのか、攻めていくのかは経営者になりますね。
もし自分にお手伝いできることがあれば、Twitterやココナラなどでも出品しておりますので、お声かけ頂ければと思います。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
皆様の発展とご活躍をお祈り申し上げます。