未経験でも事務職に転職できる?経理経験10年の私が見た“採用される人の共通点”とは
今回は事務職への転職を考えられている人向けの記事になります。
「未経験から事務職に転職したいけど、本当にできるの?」「何をアピールすれば採用されるのか分からない…」そんな不安を感じている方は読んでみてください。
私は税理士事務所で10年間働いています。人気の職種なため、求人を出している時は応募者の方がかなり来られます。その中で、私の勤務先の場合ではありますが“採用されやすい人の共通点”があるのでそれをお伝えできればと思います。
この記事では、未経験から事務職を目指す方に向けて、「採用されやすい人の特徴」「企業が本当に求めているポイント」「アピールの仕方」などをお伝えします。
事務職とは書いていますが、税理士事務所へ転職を希望している方の参考になる面が強いかもしれません。それでも気になっている方は読んでみてください。
事務職は本当に未経験でも転職できる?
答えは「YES」です。誰しも入ってくるときは未経験ですから。それに事務所の中では転職組の方が圧倒的に多いです。新卒入社はほとんどいません。
ただし、“誰でもOK”というわけではないのが現実です。
特に中途採用では「即戦力」が求められる傾向があるため、完全未経験の人が採用されるには“見えないスキル”をどう伝えるかが鍵になります。ちなみにですが、日商簿記に関しては、3級か2級かは事務所の方針によると思いますが、基本的に”必須”だと思ってください。
この次からは見えないスキルについて解説していきます。
日商簿記については別の記事がありますのでこちらも読んでみてください。
採用される人が共通して持っている5つの特徴
私が見てきた求職者の方で採用まで至った方、最終選考まで残った方、その方たちに当てはまる特徴を4つ挙げていきたいと思います。
1. 丁寧さ × スピード感
事務職において大切なのは、「丁寧さ」と「正確さ」ですが、それだけでは足りません。
実務では“ある程度のスピード感”が求められることが多く、周囲との連携も必要になります。
それを分かってもらうためにアピールする必要があるのは、PCがどれくらい使えるかです。
特にExcelスキルについてのアピールは有効だと思っています。関数や表作成が出来るか、マクロが使える場合は是非伝えてください。

えーる
2. 指示待ちではなく“気づいて動ける”力
未経験のうちは教えてもらうことが多いですが、受け身すぎるとマイナス評価に。
「先回りして準備した」「予測をつけてから質問している」など、主体性のある人が評価されやすいです。
逆に問題があると思われるのが「言われる前にやるようにしています」です。
準備⇒確認⇒実行
この順番が重要で、聞かれないと何をしたか分からないし、勝手に実行しているし、という印象を持たれる可能性があります。ミスが直接お金に関わる職業なので、勝手にされると困るという感じです。
3.整理・工夫するのが得意
書類やファイル、スケジュールの管理など、“整理する力”は事務職の大きな強みになります。
日常生活でも「効率化が好き」「家計簿をつけている」「書類などはファイリングしてある」などがあれば、立派なアピール材料です。
書類の整理整頓については煩雑になりがちなので、整理が好き、得意というのはかなりの強みになります。特にファイリング、書類の管理、電子化の経験など、資料の整理が出来るというのは重宝されます。
4.コミュニケーションスキルの高さ
ここもかなり重要な点です。社内でのコミュニケーションはもちろんですが、社外でのコミュニケーション能力が重視されます。
経理としてのポジションにもよりますが、顧客とのやり取りの窓口となることがありますので”説明能力”や”人当たりの良さ”は重要視されます。
特に税理士事務所の場合は、顧問先の社長や経理担当者とやり取りすることが多く、コミュニケーション能力に問題があると、担当の変更や顧問契約の解除などに発展することがあり、重要視される能力です。
営業の経験や窓口業務、接客業の経験などで褒められたこと、上手くいったことなどがあればアピールしてみると良いと思います。
5.AIの利用歴やプログラミングの経験
これは最近注目されている能力です。
業界内でもAIの導入などを検討しているところが多く、このスキルがあれば大幅に加点されることが見込まれます。
特に有力視される傾向があるのは、Excelのマクロ、作業の自動化についてです。
注目されているもののどう使っていいか分からない方も多いので、単にプログラミングが出来ますというだけでは加点されにくいため”Excelを使って売上のファイルを日別や月別に集計できるマクロを組みました”や”自動で書類を日ごとに並べ替えたり、特定の書類を分けたりするプログラミングが組めます”など、経理に関連するスキルとして話してもらえるとかなり注目してもらえるはずです。
可能であれば、相手側から求められるAIスキルを聞いてみるのもありかもしれません。

えーる
未経験から事務職を目指す人がやるべき準備
今までは前職などの経験を活かせる範囲でアピールするポイントでした。
もし、そういった経験がない場合に習得しておきたいものをまとめてみます。
1.Excelの基本操作を習得しておく
先程も触れましたが、Excelについては触れるようにしておいてもらった方が良いです。マクロやVBAまで習得する必要はありませんが、ある程度の関数や「簡単な表や入力ができる」レベルは最低限必要だと思います。
これは面接で聞かれた際、「これくらいならできます」と答えられるようにしておいてください。得意でない場合は、聞かれなければ伝える必要はないです。
無料動画を少し見て抑えておく程度でも全然違うと思います。
2. 応募書類で“実務に近い姿”を伝える
たとえ事務経験がなくても、「データ入力のパートをしていた」「営業サポートで請求書を扱っていた」など、事務に関わるエピソードはないか掘り起こしてみましょう。
応募書類の段階でのアピールも面接に行くまでのポイントとして重要です。
未経験の中でも経験があるものを探してみて下さい。
3. 応募企業の業界・仕事内容を少しだけ調べる
「御社の業務内容に興味があります」だけでは弱いです。
「業界的にこういった書類が多いのではと思い、自分でも調べてみました」など、ちょっとした工夫で印象は大きく変わります。
業界の内容によりますが、その業界内でしか取り扱わないような書類や専門用語などを知っていると好印象です。
企業で取り扱っている書類を調べるのは難しいので、業界で調べてみるのが良いかもしれませんね。
採用担当が避けたがるNGポイント
続いてはNGポイントについて取り上げてみます。
1.事務が楽そう、接客が少なそう
残念ながら、「楽そうだから」という理由は見抜かれます。
その職種のやりがいや、自分の強みとの接点を言葉にして伝えましょう。
また、一人で黙々と作業が出来るから自分に向いていると思いますと言う方がいますが、これはマイナスポイントです。先ほども挙げたように社外とのやり取りは意外と多いので、このアピールは避けた方が良いです。
2.残業が少なそう、定時で帰れそう
これを言われる方も意外と多いです。
確かに通常時は残業が少なく、定時で帰れることが多いと思いますが、月末や決算月、年末などは経理に求められる仕事が多く、残業となるケースが多いです。
いざという時に残業できないという様なニュアンスを汲み取られると敬遠される可能性があります。また、残業が少なそうなのでこの業界を選んだという場合は、少し考えた方が良いかもしれません。繁忙期はかなり残業ある職場もあります。
3.面接時の表情が硬い
もちろん緊張している事や真面目な場なので、真剣な表情や硬い表情になるのは理解しているのですが、相槌が少ない、表情が怒っているように見える場合は、対外的な側面を考えると少し慎重な対応になります。
面接官が少し雰囲気を和らげようと話してくれていると感じ取れる場合は、微笑むくらいの対応は必要かと思っています。
表情については生まれ持ったものもありますので、その場合は相槌や返答をできる限り多く、丁寧に返すように心がけてください。受け答えに余裕や安定感を感じられれば表情については気にならないかと思います。

えーる
まとめ
未経験でも事務職転職は可能。ただし“見えないスキル”をどう見せるかが鍵。
業界としてやはり、経験者優遇、即戦力を求める、求職者が多い、という側面から未経験の方のハードルはやはり高いです。
ただし、先程のポイントを抑えることが出来れば未経験の採用も見えてくるはずです。
経験者の方は、経験があるのに転職するという点で、また転職するのでは?という評価を受けることがあるので、そこの面ではマイナスポイントとなります。
諦めずに挑戦してみてください!
事務職は地味に見えて、企業にとって欠かせない存在です。
ぜひ、あなたの中にある“事務職に向いている要素”を言葉にして、転職活動を進めてみてくださいね。
今回は以上になります。触れませんでしたが、FP2級の記事やそれに関するものも別に書いておりますので参考にされてみてください。
何か要望があればお問い合わせよりご連絡ください。
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最後までお読みいただきありがとうございました。