高騰する金。なぜ価値があるのかをわかりやすく解説。
今回は、高騰している金についてのお話になります。
貴方の金に対する認識はどんなものですか?
投資目的?安定資産?
自分は安定資産だと思っていて、投資用としてはあまり有効ではないかな?と思っていました。それに、なぜ価格が変動するか理由がよくわかっていませんでした。
この2点をメインに記事を書いていきますが、今回は前段階として価値に絞って解説していきます。
次回の記事で、資産と投資で金を扱う事について書いていきます。
金の価格ってどうなってるの?
金はロンドン貴金属市場協会(LBMA)により、ロンドン時間の午前10時30分と午後3時に決定された価格を国際価格として取引されています。国際価格はドルで表されます。
ただ日本では少し価格の出し方が違って、国際価格を日本円に換算したものになります。ですので、
円高の場合は、換算する際にドルより価値が高いので価格が安くなります。
逆に円安の時は、ドルの方が価値が高いので価格は高くなります。
理論上はこうなるのですが、当然、円高であれば買いが多く入り、円安の時は売りが多く入るので金の価格は思うように動かないこともあります。
ですが、原則は円高の時に金の価格が下がって、円安の時に金の価格が上がると思ってください。
日本での金の単位は世界と違う?
日本での金の計算で国際価格と違う点が単位です。
金の国際価格は「トロイオンス」という単位で計算されていますが、日本では1gあたりで計算されます。※1トロイオンス=31.1034768g=約31.1035gで書かれているところが多いです。
トロイオンスが、ヤード・ポンド法での単位で、日本には馴染みがないためグラムで計算するようにしたのでしょうね。
単位は国ごとに違ったりするので、少しややこしい面がありますよね。仕方ないですが…。
ちなみに金の価格はここ1年でぐんぐん上がってきています。
2019年8月24日10:00の金価格は5,613円です。
⇒2024年 10月 1日(火) 10:00発表 金価格13,470円になっています。2倍以上になりました。
参照元 日本マテリアル株式会社
以前は、4,000円台の後半をうろうろしていたのですが頭一つ飛び抜けました。
今は円高になってきているのですが
なぜ頭一つ飛び抜けたのかを需要と供給を交えつつ解説していきます。
金市場が価格を決める
金も当然ながら需要と供給のバランスで価格が決まっています。
金の現物取引や先物取引をしているところを金市場といい、世界各国にあるのですが、主要な取引所は
①ロンドン
②ニューヨーク
③チューリッヒ
④香港
以上の4つが取引量が多く、4大市場と呼ばれています。東京の取引所もアジア圏ではかなり中心的な存在ですので、香港に次ぐくらいに規模はあるようです。
4大市場では特にロンドンが歴史が長く、立ち位置も重要なので金市場において一番中心になっています。調べてみるとロスチャイルド家が関係しているようです。
次点でニューヨークです。
市場での需要と供給を見ながら値段を決めているのですね。
それにしてもロスチャイルド家は本当に凄いですね…。いつか詳しく調べてみたいです。
金は近い未来になくなる!?
先に供給の観点からお話ししていきますが、年間3,000トンくらいの金が採掘され市場に出回っていきます。
採掘量として一番多いのが中国なのですが、2016年をピークにドンドン減ってきています。
中国の採掘推移
- 2016年 453トン
- 2017年 429トン
- 2018年 404トン
減ってきている理由としては、採算の取れないような小さい鉱山を廃鉱しているのと、単純に埋蔵量が減ってきているからと言われています。
2017年のデータにはなりますが
中国の埋蔵量の残りは約2,000トンなので、今のペースだと2022年には採掘が終わるかもしれません。
地球全体の埋蔵量は約5万トンと言われているそうで、中国だけではなく、地球規模で見てもこのペースで行くと、20年くらいですべて掘り起こしてしまいます。
すべて掘り起こしてしまえば新しい金は出回らなくなりますので、どんどん減少していきます。ですので、最後には金自体が地球上からなくなるかもしれませんね。
現在、一番埋蔵量が多いのがオーストラリアで約9,800トン。毎年の採掘量は300トン前後で採掘量も中国に次ぎ世界2位です。
オーストラリアの採掘量は中国の減少に合わせてなのか年々増加しています。
ただ理論上として海水からも金を取れるらしく、その研究が進んでいるそうなので枯渇する前に新しい金が生まれるかもしれません。今は採掘コストが高すぎて使用できるレベルに達していないそうです。
海から金が取れるようになると別の問題が出そうなので、金が枯渇した方がまだいいような気がしています…。
なぜ金は価値がある?
次になぜ金に価値があるのか、需要の観点から順を追ってみていきましょう。
新しく出回った金の使用用途は、一番多いのが貴金属への加工です。そして、産業用、個人資産用と続いていきます。
貴金属もジュエリー兼、個人資産と言えそうではありますが…。
この需要が最も多くなるのが
世界的に不安が高まったときです。
「有事の金」なんていう風にも言われており、金の価値は絶対的だと思われているので、貨幣を持っているよりは安全なので需要が高まります。
自分としては、なぜそこまで金に信頼があるのかよくわかっていなかったので、多少納得できない部分もありますが、調べてたものをまとめました。
・昔から金は美しいという世界的な共通認識
・空気や熱の影響を受けにくい上によく伸びるので、人工衛星の保護剤などにも使われるほど扱いやすい
・希少性が高い。現在の技術では容易に金を作ることが出来ないので有限資産
産業に関しては昔から使っていたわけではないので、金の価値はその光沢などによる美しさ、そして希少性が高いという2点が主になっているようです。
金は生活エネルギーに必要な物ではないので、金自体に価値があるというよりは、金には価値があると思っている「価値観」によるものが大きいです。
ただ、昔から金が富や権力の象徴のように扱われているので、その価値観は容易には壊れないと思います。
ですので、もう採掘できなくなって市場に新しい金が出回らなくなることにより価値が暴騰することはあっても、金自体に価値がなくなったので暴落するという事は、私たちが生きている間は起きない確率が高いでしょう。
自分が金という物を直接見たことがないので、そんなに魅力を感じていないのかもしれません。だから、金の価値についてあまり納得できないのだと思います。
金の延べ棒を目の前にすると魅力に取りつかれるのかもしれませんが…。笑
貴方は金そのものに魅力を感じますか?
まとめ
金の価格について理解できましたでしょうか?
自分は理解はしたのですが、やはり金単体の価値については納得できていないかもしれません。笑
ただ、投資用や資産用としての価値はまた話が別ですので、これは次回お話していきますね。
金以外の投資方法はこの記事に書いています。 お金を有効活用する為に10代で必要な投資の知識
今回は
・金はロンドンが重要な立ち位置についている。
・日本では円換算して計算しているので、円安や円高の影響を受ける。
・金は有限資産
・全ての金を20年あまりで掘り起こしてしまう可能性がある。
・特に中国は10年たたずに全て掘り起こしてしまう可能性が高い。
・ただ、海から金を取り出せるようになる可能性がある。
・今は金を容易に作り出す方法はない。
・金の価値は、昔からの価値観とその希少性によって保たれている。
このあたりがポイントですかね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。