【2023年版】個人事業主の確定申告の注意点【初めての人向け】

2023年9月27日

 

今日は初めて確定申告をする個人事業者の方向けの記事になります。

 

ここで言う個人事業主とは、事業所得として確定申告をする人の事ですので、その事業一本でやられている方もサラリーマンの副業としてやられている方もどちらも含みます。

 

今年初めて申告する人や、今年から個人事業主として頑張ろうとしている方どちらも分かるように進めていきますので、わかるところは読み飛ばして下さいね。

 

個人事業主になった時にやる事

事業を始めるぞ!となった段階でやっておかなくてはいけないことがいくつかあります。

 

え?もう始めちゃってるんだけど…。という人は今からでも出す必要がある書類がありますので、出したかどうか確認してみてください。

 

国税庁に載っているものを抜き出しながら説明していきますね。

No.2090 新たに事業を始めたときの届出など|国税庁 (nta.go.jp)

 

ちなみにこの部分は以前の記事で詳しく解説しているので読んでいる方は飛ばしてもらって大丈夫です。

 

個人事業の開業・廃業等届出書

まずはこちらです。

[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁 (nta.go.jp)

 

これは開業日から1ヶ月以内に提出する必要がありますが、罰則はないので後から出しても大丈夫です。

 

それなら出さなくてもいいんじゃない?と思われるかもしれませんが、他の用事で使う事があったり、一緒に提出を求められたりするので結局は出しておく書類になります。

 

何に使うかはこれから先で解説していきます。

 

【最重要】所得税の青色申告承認申請書【提出期限有】

続いては最重要書類になります。

[手続名]所得税の青色申告承認申請手続|国税庁 (nta.go.jp)

 

個人事業主として申告する以上、この書類だけは絶対に外せません。

 

これを提出すると青色申告控除という事で、10万円・55万円・66万円のうち、選択して控除を受けられます。金額が上がればその分、要求される資料や提出方法が変わります。

とにかく提出しないだけで、最低でも毎年3万円くらいは損すると思ってください。

 

人によってはもっと金額が大きくなりますし、他の特典も使えなくなるので注意です。

出さないメリットはないくらい必須の書類なので忘れないように提出しましょう。

 

ちなみに提出期限があり、事業を開始した月から2ヶ月以内か、申告する年分の3月15日までとなります。新規に開始した人でなければ令和4年分申告の場合、令和4年の3月15日までに提出していなければいけませんでした。出し忘れていた人は3月15日までに提出すれば来年の申告時には控除が受けられます。

 

あまり詳しく書くと長くなってしまうので省きますが、こちらに簡単に書いてあるので、後で読んでみてください。

 

 

また書き方などはこちらの先ほどの記事に載っています。

 

その他の申請書類

先程の二つと一緒に出しておく可能性があるの書類は以下になります。

 

1.青色専従者給与に関する届出(生計を一緒にしている配偶者や親族に給料を出している人が提出。

[手続名]青色事業専従者給与に関する届出手続|国税庁 (nta.go.jp)

 

2.給与支払い事務所等の開設・移転・廃止の届出(給料を支払う人がいる場合に提出)

[手続名]給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出|国税庁 (nta.go.jp)

 

これとセットで「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請」(従業員が10人未満であれば源泉所得税の納付が半年に1回になります。該当するなら提出しておいたほうが無難)

 

3.消費税関連の書類(通常この時点で出すことはありません。インボイス制度の関係や消費税還付の関係で提出を検討している場合は専門家を入れてください。独学での提出は危険です。)

以上です。

この辺りは所得税以外の部分が絡んでくるので、自分で調べた後で税務署や税理士などに聞いた方がいいかもしれないです。

 

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えーる

特に消費税は専門家でもたまにミスするからね…。金額も大きいし、独学で先行するのは危険が大きいよ。

青色申告控除を基準にした仕分けや帳簿の確認

ここから実務的なところに入っていきます。

今から申告する人の為に青色申告控除の必要な資料などを解説していきます。

10万円と55万円の壁が大きく、55万円と65万円はそこまでハードルは高くないのでしっかり65万円の控除を取っていきましょう!

 

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えーる

10万円と65万円だと、所得税率10%の人は55,000円所得税だけで差が出るよ!
ちなみに所得税率はこちらで確認してください。所得の考え方は少し説明が長くなるので割愛します。

青色申告控除 10万円控除の要件

青色申告控除は10種類ある所得のうち、事業所得の方か不動産所得の方しか受けられません。ちなみに何が事業所得になるかは国税庁のホームページを見ても分かりにくいので、会社っぽいことをしているかって考えてもらったらいいかもしれません。趣味の範囲だと認められないことがあります。

 

そこはクリアしたうえで必要な書類を上げていきます。

・現金出納帳(売上や経費の支払いを管理)

・買掛帳、売掛帳(仕入れや売上の管理)

・経費帳(経費になるものの金額を記載)

・固定資産台帳(減価償却になる資産の管理)

 

上記の帳簿を簡易簿記で記載していきます。とにかく発生したら科目を考えて記入するだけで大丈夫です。この後出てくる複式簿記は他の科目との整合性が必要だったりします。

 

この帳簿を元に青色申告決算書に転記して確定申告書を作り税務署に提出します。後から比較しないと分かりにくいですが、帳簿の作り方が55万円以上の控除と比べて簡単になっています。

それと青色申告決算書についてはこの後に説明します。

 

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えーる

使ったら書く!貰ったら書く!を基本にしてあまり難しく考えないでいいから本当に楽だと思うよ。

青色申告控除 55万円を取るための要件

折角、帳簿を作るのならしっかり作って55万円の控除を取れるようにしましょう。

ちなみに作る帳簿自体には差はありませんが、簡易簿記ではなく複式簿記にて帳簿を作らなくてはいけません。

 

複式簿記とは簡単に説明すると、すべての取引が繋がっているイメージです。未入金の売上が増えれば売掛金が増えて、入金されれば売掛金が減って現金や預金が増える。

 

簡易簿記とは違い、経費以外のお金や資産・負債の動きも管理しなくてはいけません。

 

この複式簿記は会計ソフトなどを使えば自動でやってくれるのですが、エクセルや手書きの帳簿などだと少し難しいかもしれません。出来ないことはないですが、簿記の知識が必要になります。

 

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えーる

色々と管理も楽になるから最初に会計ソフトを入れておく方がおススメかな

青色申告控除 65万円を取るための要件

65万円控除は実はそこまでハードルは高くありません。55万円控除の要件を満たせる人であれば65万円は取れると思ってください。

 

先程の複式簿記で記帳したうえで、①か②のどちらかを満たせば65万円控除を出来ます。

 

①仕訳帳や総勘定元帳を、要件を満たした電子データで保存。そして届出書を提出。

②確定申告書、貸借対照表と損益計算書等を提出期限までにe-Taxにて提出。

 

ただ①は複雑かつ手間なので、おススメは②です。

必要な物はマイナンバーカードか利用者識別番号のどちらか。

マイナンバーカードが無い方は利用者識別番号をe-TaxのHPより取得してください。

 

そして国税庁の確定申告書等作成コーナーより帳簿を元に資料を作成してe-Taxにて送信しましょう!

 

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えーる

利用者識別番号の取得や入力方法は省いているけど分からない事があればご利用ガイドを見たり、税務署に電話してみて。答えられる範囲なら答えるので、こっちにDM送ってくれても大丈夫!かも。

青色申告控除 まとめ

少し専門的な用語が出てきたので難しく感じたかもしれません。

当然65万円の控除を目指してもらうのがいいのですが、自信のない方や始めたばかりでそこまで所得がない方は10万円控除でもアリだと思います。

結果として税金が出なければ65万円控除の必要はないですからね。

用意するもの・やっておくこと

 

①青色申告承認申請書の提出の確認(一度出しておけば大丈夫です)

会計ソフトの導入か帳簿用のソフト・用紙を準備。

②経費や収入の日付と金額を入力または記入。

③領収書などの資料の保管。

④マイナンバーカードか利用者識別番号の発行。

とりあえずこの辺りは覚えておいてください。青色申告控除について詳しく知りたい方はこちらも見ておくと理解が深まるかもしれません。

No.2072 青色申告特別控除|国税庁 (nta.go.jp)

 

会計ソフトも確定申告ソフトも無料で試せるものもあるので検討してみてください。


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最後に

今回はここまでにしておきます。

青色申告控除についての解説が主になりましたので、次回は帳簿の付け方などについてまとめていこうと思います。

 

質問があればTwitterのDMを送ってもらえればご返信します。

他にもインボイス制度など個人事業主の方に関係のある記事なども書いていますので、チェックしてみてください。