経理の仕事とは?1年の流れと会社ごとの担当範囲を解説
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「経理」という求人はよく見かけますが、実際に何をする仕事なのかは、外からは意外と分かりません。求人票に「経理業務全般」とだけ書かれていて、具体的な中身が読み取れないこともあります。
経理の仕事は「毎日やること」「毎月やること」「年に一度やること」の3層構造になっています。この3つのどこまでを任されるかが、会社によって違います。求人票を読むときは、この3層のうちどこを求められているかを確認すると、実態がつかめます。
この記事では、税理士事務所で多くの会社の経理を見てきた立場から、経理の仕事の全体像と、1年の流れを解説します。
経理の仕事は3層構造になっている
経理業務は、頻度によって3つの層に分けると理解しやすくなります。
| 層 | 頻度 | 主な業務 |
|---|---|---|
| 日次業務 | 毎日〜週単位 | 伝票の起票、入出金の記録、経費精算、請求書の処理 |
| 月次業務 | 毎月 | 月次決算、売掛金・買掛金の管理、給与にともなう処理 |
| 年次業務 | 年1回 | 年次決算、税務申告への対応、年末調整 |
未経験で入る場合、多くは日次業務から任されます。そこから月次、年次へと範囲が広がっていくのが一般的な流れです。
日次業務:毎日の積み重ね
日々の取引を記録していく作業です。地味に見えますが、ここが正確でないと月次も年次も狂うため、経理の土台になります。
- 領収書や請求書を受け取り、内容を確認する
- 会計ソフトへ仕訳を入力する
- 銀行口座の入出金を確認し、帳簿と突き合わせる
- 経費精算の申請を確認し、支払いの準備をする
月次業務:1か月を締める
月ごとに数字をまとめ、その月の業績を把握できる状態にします。会社が経営判断に使う数字を作る工程で、経理の中核といえます。
締めのスピードは会社によって差があります。翌月の早い時期に締める会社もあれば、月末近くまでかかる会社もあります。求人票に「月次決算」と書かれている場合、この工程を任される想定です。
年次業務:1年を確定させる
年に一度、1年間の数字を確定させます。決算書を作り、税務申告につなげる工程です。
ここは会社によって関わり方が大きく違います。顧問税理士がいる会社では、申告書の作成そのものは税理士が行い、経理は資料の準備や確認を担当することが多くなります。一方、社内で完結させている会社では、経理の担当範囲が広がります。
経理の1年はどう流れるか
経理には、時期によって忙しさの波があります。応募前に知っておくと、入社後のイメージがつかみやすくなります。
繁忙期はいつか
- 決算期の前後 — 年次決算の作業が集中する。3月決算の会社が多いため、その前後が忙しくなりやすい
- 年末から年始 — 年末調整の対応が重なる
- 毎月の月初 — 前月の締め作業があるため、月の前半にヤマが来る
注意したいのは、会社の決算月によって繁忙期がずれることです。3月決算の会社と12月決算の会社では、忙しい時期が違います。面接で決算月を確認しておくと、1年の働き方が具体的に見えてきます。
「経理はきつい」と言われる理由
経理が大変だと言われるのは、作業量そのものより締め切りが動かせないことにあります。決算や申告には期限があり、遅らせることができません。
ただし、これは裏を返せばスケジュールが読める仕事ということでもあります。突発的な対応が続く職種と比べると、繁忙期が予測できる分、生活の計画は立てやすい面があります。
会社によって「経理」の中身が違う
ここが、外から見て最も分かりにくい部分です。多くの会社を見てきて感じるのは、同じ「経理」という求人でも、実態がかなり違うということです。
会社の規模による違い
| 担当範囲 | 特徴 | |
|---|---|---|
| 小規模の会社 | 広い | 1人で日次から年次まで見ることがある。総務や労務を兼ねる場合も多い |
| 中規模の会社 | 中程度 | 複数人で分担する。担当が分かれていることが多い |
| 大規模の会社 | 狭く深い | 売掛担当、固定資産担当など、業務が細分化されていることがある |
「経理業務全般」という表現は、1人で全部という意味の場合もあれば、チームの一員という意味の場合もあります。経理部門が何人いるかを確認すると、実態が推測しやすくなります。
顧問税理士がいるかどうか
中小企業の多くは顧問税理士と契約しています。この場合、税務申告や難しい判断は税理士側が担当するため、経理担当者に高度な税務知識が最初から求められることは多くありません。
逆に言えば、税理士とのやり取りが業務に含まれます。資料を準備し、質問に答える場面が出てくるため、自社の取引内容を説明できることが実務では重要になります。
相手側がどう動いているかを知っておくと、やり取りはぐっと楽になります。税理士事務所側の動きは税理士事務所スタッフの1日の仕事の流れと税理士事務所の1年の仕事スケジュールで解説しています。いつ資料を求められるのか、なぜ期限が動かせないのかが分かります。
未経験から始める場合に何が求められるか
採用する側が未経験者に期待しているのは、専門知識よりも仕事の進め方です。
実務で効いてくる力
- 正確さ — 数字が1円合わないと原因を探す仕事なので、丁寧さが土台になる
- 分からないことを聞ける — 判断に迷う取引は必ず出てくる。自己判断で処理されるほうが困る
- PCの基本操作 — 会計ソフトとExcelを使うため、入力と集計に抵抗がないこと
- 説明できること — なぜその処理をしたのかを、後から人に説明できる状態にしておく
資格は必要か
「経理に資格は必要か」はよく聞かれる質問です。実態としては、資格がなくても採用される会社はありますが、応募条件に簿記を挙げている求人も存在します。つまり「なくても入口はあるが、持っていると選択肢が広がる」というのが実際のところです。
この点は、資格の種類ごとに事情が違うため、別の記事で詳しく解説しています。
- 簿記2級やFPが転職でどう評価されるかは日商簿記2級やFPは転職に有利なのかで解説しています
- 資格よりITリテラシーが評価される場面については経理に資格はいらないと言われる理由で解説しています
- 未経験から事務職を目指す場合の考え方は未経験でも事務職に転職できる?で解説しています
始める前に知っておきたいこと
- 「経理」という職種名だけで、どの会社も同じ仕事だと考える
- 求人票の給与だけを見て、任される範囲を確認しない
- 資格を取ることそのものを目的にしてしまう
「自分の経歴で経理を目指せるか」「この求人はどこまでの業務を求めているのか」——判断に迷う部分について、個別にご相談いただけます。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の企業の業務内容や採用条件を保証するものではありません。実際の担当範囲は会社ごとに異なりますので、応募先の情報をご確認ください。
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